2012年8月28日火曜日

奥秩父 釜の沢東俣

【期間】   2012年8月25日~26日
【形態】   沢登り
【山域】   奥秩父
【ルート】  釜の沢東俣
【メンバー】 吉岡、他1名

8月25日(土) 晴れ
 大学時代の友人と42年振りに再び釜の沢東俣に行って来ました。デジカメは持って行ったのですが、SDカードを忘れたので写真はありません。オソマツでした

 鶏冠谷の出合では、飛び石伝いに東沢を渡れるほど水量は少ない状態でした。ホラの貝のゴルジュも水量がなく多分楽しく登れるのではないでしょうか。翌日広河原の上で、お母さんと息子のパーティーが、ホラの貝を登って追いついてきました。因みにお母さんは沢登2年目、息子は2回目ということでした。
東のナメ


魚止めの滝
千畳のナメ
千畳のナメ

 山ノ神で沢靴に履き替えバシャバシャと行きますが、渡渉もすねまでで楽ちんです。東のナメで写真を撮ったり、西のナメで滑り台をして遊ぶ女性を眺めたりとのんびり進みます。
 釜の沢出合のすぐ上にある魚止滝は、出だしのスラブがつるつるなので、ザイルを出してゴボウで登ってもらいます。これを越すと、千畳のナメが続きます。相変わらず素晴らしいスケールと景色を堪能します。
両門の滝


 両門の滝は、西俣と東俣が大きな滝を落とす珍しい?くなくとも、そのスケールはまた千畳のナメと違った素晴らしさを持っている。左岸を捲いて行くが落ち口よりさらに高いところまで登ってから水流に戻る。続いてヤゲンの滝、支流との間にあるリッジを登り捲く。

 ここを越すと広河原に出ます。広河原に入ってすぐ大勢の人がキャンプをしているので、しばらくテン場を探しながら登り、丁度良い広さと水に恵まれたスペースを発見。焚き火用の木も豊富にあります。 今回は沢なので、2~3人用テントのフライシートとポールで設営。テントと同じように空間が保てるのでタープより安心できます。

 さっそく、ビールで乾杯、自分が食事の担当で準備してきたのですが、相棒が出してくる豚肉の1枚200gステーキ肉4枚、鳥のモモ2本、焼き肉、と肉だけで満腹になり用意してきた食料は全く手つかずで残ってしまいました。焚き火を見ながらのんびりして、まだ明るい18時頃就寝。ビールのロング缶一本ではこれ以上時間が持ちませんでした。

8月26日(日) 晴れ
 たっぷり10時間以上寝て4時15分起床。朝一杯のコーヒー、朝食はソーメン改め冷やし中華、茹で卵とハム、キュウリをのせて食べました。
  今日の登りは、水量が少ないので沢靴をしまい、運動靴で行きます。昨日と比べ見どころも少なくひたすら上を目指して登ります。甲武信小屋に10時半頃やっと到着、ビールで完登を祝います。今回の目的は釜の沢の遡行という理由で、甲武信の山頂には登らず、11:20頃小屋を出て近丸新道から徳ちゃん新道を通って西沢渓谷駐車場に下りました。
 帰りの温泉は、窪平温泉保養施設「花かげの湯」500円也。中央道は、相変わらず渋滞中 笹子から小仏トンネル 35km。先週より長い渋滞でした。

2012年8月26日日曜日

剣・チンネ左稜線


【期間】2012年8月18日
【形態】岩登り
【山域】剣周辺
【ルート】チンネ左稜線
【メンバー】平石(記)、吉岡、目

八ツ峰主稜下半後に熊の岩で幕営。
テントの中でゴロゴロしながら明日のことを考える。
ハイ、特になにも考えずだだゴロゴロ。
といっても早寝早起き!健康パーティー。

そして3日目、疲労が蓄積真っ只中ですが計画通りにチンネ左稜線へ
そう、今回は誰もやめようと言う人がいなかったのです。

アプローチは長次郎谷右俣を詰め池の谷乗越。

上部で雪渓は途切れているけれど
八ツ峰側に登路があり、最後はまた雪渓に乗り移り池の谷乗越に到着。


池ノ谷ガリーへ降りる、相変わらずのガレガレなので皆で近寄って下降する。
三ノ窓へはそれほど苦労しないで到着。

陽あたり良好な三ノ窓は気持ちが良い。
熊の岩から1時間ちょっとでした。

登攀準備を済まして
雪渓を横断して左稜線取付きへ。

1P:吉岡さん
凹角を登る、サラサラっと。

2P:平石
簡単なパート15M

3P:目さん
ルーファイ頑張りましたね。

4P:平石
ピナクルまでのピッチほぼ歩き。

5P:吉岡さん
フェイス、フリークライミングって感じかなぁ。

6P:目さん
歩き、這松に支点を取る

7P:平石
フェイス、簡単。

8P:目さん
途中からランナウト、支点は取ってくださいな。
落ちないところだけれど。。

9P:平石
ここらへんからちょいと難しくなる。
荷物も重い。

10P:平石
核心の手前のピッチ
雷が鳴り始める。。勘弁して。

11P:目さん、後吉岡さん
目さん、トライするも敗退。
トレーニング、ガンバです。

怪しい雲が来ては消え~。来ては消え~の繰り返し。
雨は降られないが合羽を着てみた。

吉岡さんはスルスルと核心を越えてどんどん登って
ロープが足りなくなる、我々が移動してなんとか支点に届いた。

この後は
小刻みに平石、目さんでリッジを通過して終了点へ到着!
この頃には奇跡的に雷がどこかへ
そしてまた遠雷が聞こえる。


池ノ谷ガリーに降りるためには1回懸垂。
ここもガラガラなので岩落としまくり。。

池ノ谷乗越で恒例の完登の握手~。

そしてさっさと熊の岩へ。
順調に下りて、テントに近づき隣のテントをみると
見たことのある人が。それはYさんでした、世間は狭い。
チンネ左稜線に登るとのことで
情報交換などして我々は真砂沢へ下降。

膝にくる長次郎谷をひたすら降りて真砂沢に明るいうちに着。

あー早くビール飲みたい、小屋に行ってみると、
なんとビール売り切れ、次回入荷8/22。。と張り紙が。

かな~りがっかり、でも何気にマッコリが美味かった。

そして、下山日も晴れ。

体力を吸い取られながらハシゴ谷乗越。
到着直前ににわか雨に降られながら黒四ダム着。

全ての行程を無事終えたのでした。

2012年8月23日木曜日

剣・八ツ峰主稜下半

【期間】2012817
【形態】岩稜
【山域】剣周辺
【ルート】八ツ峰主稜下半
【メンバー】平石()、吉岡、目

目姉さんの記録ちょっとパクリです。
ムービーは後日です。

【コースタイム】
817日(金) 真砂5:20-長次郎出合6:1512峰ルンゼ7:0012峰コル9:50
        56のコル14:00-熊の岩15:00

昨年、単独でフラリと行った八ツ峰の上半、いや本音は下上行きたかったんです。
毎年訪れたい山域、3年連続達成、しかもハシゴ谷経由。。消耗した。。
次は室堂経由でお願いします。

さて、2日目、八ツ峰主稜下半・上半を達成すべく早起きして出発。
前の日に小屋のオジサンからは時間かかるよ~。の情報。
3日目に戻るので不要な荷物は幕場にデポる。
(何故か私のザックには日本100岩場伊豆・甲信のガイドブックが。。)


すこーしだけ軽くなった荷物を背負い、一路。I,II峰間ルンゼの取付きへ

事前情報だとズタズタのシュルンドで危険とのことでしたが、特に問題なし。


初っ端、濡れ濡れスラブをよけながらのIII級+程度のスラビークライム。


今回のメンバーは日頃クライミングジムなどでトレーニングをしているので
ロープを出す必要性を感じませんでした。
目安としては小川山のセレクションのダイヤモンドスラブをリードできれば
全く問題ありません。あーガマスラブでも可かな。


その後はペタペタ歩きの汗だくスラブ三昧で高度をあげる。

むか~しのガイド(今回は「あんちょこ」と呼んでいた)によると
コルまで小1時間と強気の記述、とても無理です。。

スラブから草付きに移ると、昨夜の雨のついた草で
ビショビショになり、靴グチャグチャ~。。


でも貸切なので気分は上々。でもない。
やっとのことでI、II峰コルに着。

最後はデカイ岩がゴロゴロ動き、神経をつかう。
目さんは何故かザックを降ろして一本背負いしながら登ってきた。
ロンドン五輪、柔道ちょっと寂しかったからね~。
気合だ気合だ気合だ~。それはレスリング。。

コルから先は稜線漫歩、いやいや懸垂マニア。

懸垂に関しては支点等の向きで
長次郎谷側か三ノ窓谷側か下降ルートが判明しますので
これといって頭を悩ますことはないと思います。
ロープ1本でも2回懸垂すれば問題ないですし。

確かに稜線歩きですが、懸垂の方が時間的にウェイト重いので
その処理時間が行動時間の大部分となる場合がありますので
日頃のトレ次第でしょうか。



支点はボロいスリングだけのもあれば、ビナ付きもあったり。

と、下半は何気に長い長い。。

VI峰の岩場を登るコールが聞こえてくるとV峰も近い。
でもでもまだまだアップダウン。

やーっとのことでV峰のピナクル。
積雪期の支点等もあり、一番信頼のおける支点を選択して懸垂。
少し降り過ぎたので登り返して、2回目の懸垂でV・VIのコル1歩手前。
踏み跡に出て、最後15Mの懸垂でコル着。


VI峰への登り口を目さんにレクチャーして
残念ではありますが、上半はまたの機会に。

あっ、わたくしは上下縦走がつながったのでありました!!。
パチパチパチパチ。

さて今宵は。

熊の岩お初です。
ロケーション最高!、水豊富。雪渓目の前、超快適。

続きはチンネ左稜線です。

そして熊の岩に戻ってくるとサプライズが!!

2012年8月19日日曜日

立秋の裏剣(1)

【期間】2012810日~13
【形態】トレッキング
【山域】北アルプス剣岳周辺
【ルート】阿曽原~仙人池~池の平~内蔵助平~黒部ダム
【メンバー】大木場、牧野、柳澤、恩田(記)

大木場リーダーの元、暦の上では立秋とはいえ、まだまだ夏真っ盛りの裏剣に行ってきました。
予報では天気はおもわしくなく、富山方面に引き返すことも選択肢に入れてたのですが、
………

池の平~仙人池の登山道から


池の平 夕景


仙人池付近の木道から


お馴染みの逆さ剣


仙人池付近の木道



8月10日(金)
夜行バスが4名分とれなかったので、2名ずつ別のバスで、宇奈月に向かう。
宇奈月から欅平まで、関電グループが経営するトロッコ電車に乗る。
(この電源は、大飯原発でなく、水力発電の電気か?)
天気は、本日は好天。黒部峡谷の景観を楽しんで、1時間ちょっとで欅平に着く。
ここから、1時間ほどの登りで、いわゆる日電歩道という 長~~~い 水平道を歩く。
日電歩道は戦前、電源開発のため作られた道で、通常、沢沿いの登山道は、岩盤を避ける等して作られるためアップダウンが多いが、日電歩道は、岩盤がくり抜かれたりして、等高線に忠実な、どこまでも水平な道である。
欅平駅の案内図で日電歩道は通行止となっていて、駅員曰く、整備途中で自己責任で通行するようにと。が、立派な道である。

水平道のはじめは道幅が広く、明るい広葉樹が暑い日差しを遮り、立秋の涼風が心地よい。歩き始めでまだまだ疲労感もなく、時折、黒部川越しに後立山の稜線が臨まれる。
やがて、垂直な壁の岩盤がくり抜かれたり、鉄板や丸太で路肩を補強した道が頻繁に出現する。
長時間の歩行の後、阿曽原まで半分を過ぎた辺りで、志合谷の長いトンネルとオリオ谷のトンネルを通過する。だんだんと垂壁の際どい道は姿を消し、平凡な登山道となる。やがて水平な道は、一旦登りとなり、下りに変わる頃、阿曽原の小屋と幕場が見えてくる。幕場に着くと、夏の真っ盛りの週末なのに、先行は2張りのみ。
我がパーティーの幕をブッシュの上に張ったところ、羽アリのような虫の大群に襲われ、幕の場所を変えて就寝する。もちろんメンバー全員が温泉につかったことは言うまでもない。

欅平10:15- 水平道11:10 -志合谷 13:30 - オリオ谷 14:50 - 阿曽原 16:50







8月11日(土)
仙人池へ向け出発する。小屋前には、ビールの自販機が置いてある。ビールは水や雪でなく電気で冷やしている。黒三発電所はすぐ近く。
持参した20年前の地図に載っている仙人谷の北側に付けられた道は、小屋前に明瞭な取付があるが、すでに廃道になっている。小屋の人に聞くと「登っちゃダメ」と(聞けばそう言うのは当然か)。

新しい道は雲切新道というらしい、一旦仙人ダムに下りて、ダム施設の中を通り、仙人谷と雲切谷の間の尾根を登っていくものである。廃道になった旧道より1~2時間ほど余計にかかるらしい。
仙人ダムに下りると、なんと鉄筋コンクリートの立派なマンションが建っていて、さらにもう1棟建設中である。関電の宿舎らしいが、こんな奥深い山の中には何となくそぐわない。

仙人ダムの美しいダム湖を眼下に見るアルミのはしごから急登が始まる。
仙人谷の橋を渡ると、仙人池からの登山客と出会う。すれ違う登山客の多くから、「これから大変だね」が繰り返される。でも大変なのは登っている我々でなく「あんた方だ」と内心思う(私は下りが大嫌い)。
途中で単独行の登山者から、男子サッカーが韓国に負けたことを聞く。

1,629mピークを越えしばらくすると、仙人湯小屋が見えてくる。仙人谷を渡ると、上流に仙人湯の源泉の湯けむりが上がっている。仙人湯の辺りから、小雨が降ってくる。が、すぐに止んでしまう。
2カ所雪渓を渡り、木道が出てくるとまもなく仙人池に到着。が、池越しの裏剣はガスの中。少し前まで見えていたとのこと。
明日は、午前中は好天という仙人池ヒュッテ情報を聞く。リーダーは、これに懸けて、池の平泊にすると判断。池前でビールで乾杯してから池の平へ向かう。
池の平は、幕は我々だけ。小屋に風呂があるが、小屋泊まりの客しか入れない。
夕食の途中(18:30頃)、幕から出ると、ガスが晴れていて、裏剣や池平山が夕焼けに染まり、美しく輝いている。

阿曽原 06:00 - 仙人ダム 07:30 - 1,629mピーク 11:00 - 仙人湯 12:00 - 仙人池 14:50 15:30 - 池の平 16:40








8月12日(日)
3時起床の予定が、30分ほど遅れる。外に出ると、東側に星が出ている。仙人山の上に明るく輝くのは金星か。
幕場を出発すると、仙人池へのトラバース道から、ガスに包まれ頭をわずかに覗かせる裏剣が見えている。しばらくすると、ガスはとれ、目の前には、剣岳の大きな山体と、八つ峰、チンネ、小窓などの稜線が姿をあらわした。剣岳のどっしりとした量感と青空に刻まれたすばらしい山稜が見る者を圧倒する。剣のバリエーションルートは、クライマーだけでのものではない。トレッカーにも美しい景観を提供してくれる。
昨日の小屋情報が当たり、下りなくて良かったとメンバー全員が感激し、リーダーに感謝する。池からの裏剣を楽しみに、仙人池に向かう。仙人池ヒュッテの泊客はすでに撮影を済ましたらしく、池前には誰もいない。雑誌やポスターなどによく出ている、逆さ剣が池に映るあの裏剣が目の前にある。

今回の山行目的を果たし、あとは下るのみ。やがて、景色も見えなくなり、暑いから曇って欲しいとわがままが顔を出す。が、好天は続く。
二股に下り、ハシゴ谷乗越を越えると、長い涸れ沢が続き、ザックの空っぽの水筒が、のどの渇きを助長する。内蔵助平で、乾ききった体に水を補給する。
ここから内蔵助谷右岸に付けられた道は、ロープが多く取り付けられ、本当に神経を使う。崩壊が激しいようで小屋人が頻繁に補修しているのだろう。とにかく、私にとっては悪路である。さらに、この悪路で私は滑落をしてしまった。這い上がるのに時間を要したが、しばらく先でメンバーは待っていてくれた。事情を話して詫びる。悪路とはいえこんなところでチョンボをして恥ずかしいが、怪我もなくとりあえず生きていて良かった。
今日の幕場は、内蔵助谷出合である。帰京してから気がついたことであるが、この悪路では写真を1枚も撮っていなかった。

池の平 05:00 - 仙人池 06:00 06:30 - 二股 08:10 - ハシゴ谷取付 09:40 - 内蔵助平 13:00 - 内蔵助谷出合 15:50








8月13日(月)
本日は、黒部ダムに下山するのみである(といっても登りのルート)。内蔵助出合からの道は、昨日の悪路と異なり、極めて立派な道で悪いところは一切ない。こちらは関電が管理しているからであろう。
黒部ダムから、大町温泉に寄って心身を清め、メンバー全員18キップで、大町からの帰途につく。

内蔵助谷出合 07:00 - 黒部ダム下 08:00  - ダム上 08:50


2012年8月18日土曜日

立秋の裏剣(2)

【期間】2012810日~13
【形態】トレッキング
【山域】北アルプス剣岳周辺
【ルート】阿曽原~仙人池~池の平~内蔵助平~黒部ダム
【メンバー】大木場、柳澤、恩田、牧野(記)


10日(金) 前日の夜行バスでYさんと二人富山駅に早朝着。富山電鉄に乗り宇奈月に向かう。宇奈月で先行のダブルO氏と合流。トロッコ電車に乗車するとお天気も上々、景色に見とれてつい観光気分になってしまう。欅平からすぐに急な登りになる。水平道に入ると奥鐘山の岩壁を対岸に見ながら進む。
昔の道具でこの急勾配の岩盤を削って水平道を阿曽原までの長い距離を…さぞや大変な仕事だったことでしょう…おかげ様で楽々と歩けることに感謝感謝。
阿曽原のテン場に着くと他に2張りのみ。温泉は最高~。ただ天幕の中に黒い羽アリの群れがどんどん入り羽アリだらけ、てんやわんやの天幕移動騒ぎとなったのだった。


水平道


水平道を行く



11日(土) 阿曽原~阿曽原峠~仙人温泉の道は数年前から廃道になっており、今は関電の仙人谷ダムまで下り、仙人谷の南の尾根から仙人温泉に登山道が作られていた。私の2006年の地図は以前の登山道で、新しい道は標されていなかった。最新の地図を調べておくべきだったと反省。
以前の道よりも2時間程よけいかかるきつい尾根をひたすら登りつめると、仙人温泉が見えホッとした。ここから仙人池までの雪渓は大きかったが、厚かったし登りなので下りてきた人が言うようには恐怖ではなかった。天気予報がいまいちで、仙人池から二股に下りる案もあったが、結局予定通り池の平に張ることにする。
池の平は静かで回りはお花畑。テントは我々だけで快適…となるはずが、蚊とブヨの猛烈な攻撃に!虫除けスプレーでは追いつかない!2年前の再来でボコボコにされてしまった。
教訓…夏山には虫除けネットと蚊取り線!ですね。


仙人温泉を望む











池の平




















12日(日) 夜は雨音を聞いたが、朝何と快晴。恩田さんの声でテントから出ると、八ツ峰がどーんと全体像を見せてくれて迫力満点。一同、下りないでよかったと感動~。仙人峠から仙人池に寄り、写真を撮り、二股へと下る。つり橋でしばらく休憩し、昔日の想いにしたり、二股を後にする。この日はハシゴ谷乗越しを登り、内蔵助谷と黒部川の出会いに天幕を張った。


二股

2012年8月16日木曜日

剣岳 夏合宿

【期間】2012816日~19
【形態】岩稜
【山域】北アルプス
【ルート】剣岳八ツ峰下半、チンネ左稜線
【メンバー】平石(L)、吉岡、目(記)

岩の殿堂、剣に行ってきました。素晴らしいメンバーのおかげで八ツ峰下半とチンネをなんとか完登することができましたが、日ごろの岩トレ不足を痛感しました。縦走ばかりしていちゃダメですね。今後は、ジムに外岩に励もう・・・という合宿と相成りました。
【コースタイム】
816日(木) 扇沢7:30(トロリーバス)~黒部ダム8:00-内蔵助11:00-真砂14:30
817日(金) 真砂5:20-長次郎出合6:1512峰ルンゼ7:0012峰コル9:50
        56のコル14:00-熊の岩15:00
818日(土) 熊の岩4:50-池ノ谷乗越5:30-三の窓6:00-チンネ取付7:00
        チンネの頭15:00-池ノ谷乗越16:10-熊の岩16:40-真砂18:15
819日(日) 真砂7:20-ハシゴ谷乗越9:00-内蔵助10:40-黒部ダム13:30


816日(木) 曇りのち晴れ
 前日22:30明大前集合、2:30扇沢着で仮眠。扇沢の夜は気温が低く、インナーシーツだけでは寒かった
 5:30起床。7:30発のトロリーバスに乗り、黒部ダム駅へ。準備運動をして出発。

元気に出発

 我々の他に1パーティ2人組。内蔵助出合までは平坦な道で木陰も多く、快適。出合から先はところどころ荒れており、慎重に登っていく。


内蔵助平で水を確保

 内蔵助平をすぎたあたりから快晴となり、風のない河原歩きで体力を消耗する。ハシゴ谷乗越の少し先で一服し、真砂まで一気に下る。真砂沢のすぐ手前で数十メートルの雪渓をトラバースした。テン場には68張ぐらいの先客。テント設営後、青空の下で乾杯し、シャツや靴下など干しながら昼寝などしてのんびり過ごす。夕食+二次会をテントで始めたころ夕立。ラジオの電波が入りにくかったので小屋の掲示板で翌日の天気予報を確認。午前晴れ、午後から降水確率60%とのこと。19:30就寝。

817日(金) 晴れ後曇り
 3時起床。最終日の食料などデポして出発。青空が広がり良い天気。
 長次郎谷出合でアイゼン、登攀具をつけ、峰間ルンゼを目指すルンゼ雪渓上部に大きなシュルンドがあったが、右上に登りつめ、峰側の岩稜帯に降りる。こからコルまでが長かった。ルンゼを右に左にトラバースしたり、直登したり、峰側の草付に入ったり。

ルーファイ中のリーダー
 コル直前で天井の低い岩小屋に入り込み、抜け出すのに一苦労し、ようやくコルに到着。三の窓雪渓側斜面はなだらかなチングルマのお花・綿帽子畑で、長次郎谷側とは別世界である。大休止し、そびえ立つスルーして峰へ向かう。ルートファインディングが難しが、平石さんは迷わずどんどん進んでいく。稜線を歩いたり、巻いたり、ハイ松の藪漕ぎは突進ピークにでると懸垂下降し、また登り返しの繰り返し。小さなピークがいくつもあり、何峰にいるのかよくわからない。ようやく前方で人の声が聞こえ、のコル手前にいることを確信。懸垂下降し、コルに降り立ったのが午後2:00。時間切れということで、上半は諦め、熊の岩で幕営することになった。峰側のガラガラした岩稜帯を慎重に下り、長次郎谷雪渓でアイゼンを装着し、熊の岩までトラバース。

コルから下山

 熊の岩は、水あり、雪あり、お花ありで、長次郎雪渓を見下ろし、目の前に八ツ峰ドーンという素晴らしい環境。夜中には満天の星空が広がった。明日は、長い行程なので、早めに就寝。

818日(土) 晴れ時々曇り
 3:00起床。晴れ。今日は空身なのでらくらく。アイゼン履いて、ピッケル持って、雪渓をつめていく。途中シュルンドを避るため、八ツ峰側の岩稜帯に降り、乗越少し手前で再び雪渓に戻る。振り返ると遠くに槍、穂高が見え

右奥に槍と穂高~
 池の谷ガリーはアイゼンをつけたまま下る。どうしようもないくらいガラガラな道で、蟻地獄みたい。慎重に降り、三の窓到着。目の前にカールが広がり、遠くに後立山を望む素晴らしいロケーションである。登攀準備をしながら、これから登る左稜線を見上げ、圧巻される

左のスカイラインが左稜線

雪渓をトラバースし、取付き点から登攀開始。

登攀の模様平石さんの記録参照

 終了点到着後、すぐ下山開始。すこしクライムダウンしてから懸垂1回で池の谷ガリーへ降り立ち、池ノ谷乗越しへ登り返す乗越でアイゼンを装着し、熊の岩へ下る。テントが増え、昨日より賑やかな感じ。しかもわれわれのテントのすぐ隣に、どんぐりK姉さんパーティテントが!
 「下(真砂)で一杯どうですか?」と誘うも断られ、さびしくテント撤収し、熊の岩をさっさと後にする。
 長次郎谷出合までが思いのほかかったが、明るいうちに真砂に到着した。2日前とほぼ同じ顔ぶれのテントが残っていた。他のテントから離れたところにテントを設営。ビールが売り切れなので、マッコでカンパイして、夕食。結局この日は、晴れたり、ガスったり、時々遠くで雷鳴が聞こえるという天気。夜はまた満天の星空。明日は下山だけなので、皆さんノムノム。

819日(日) 晴れ一時雨

 気持ちの良い青空で、下山するのがもったいない。


 ハシゴ谷はまたまた暑かったが、下山後の温泉を楽しみに歩く。内蔵助出合をすぎ、しばらくすると雨が降ってきた。傘をさして歩いたがすぐにやんでしまい、ダムの下についた頃には太陽が顔を出した。最後のきつい登りをゆっくり登り、ようやく駅に到着。トロリーバスに乗り、扇沢駐車場に到着。薬師の湯により、帰路に着く。

感想・・・
 八ツ峰では、体調不良(?)で、目が大きく遅れてしまい、上半を断念する結果となった。草付が苦手なことがわかったので、草付歩きの練習をしたい。
 チンネで、ルートファインディングに時間をかけすぎたり、ランナーがはずれたり、ランナウトしたり、ロープが岩の摩擦で動かなくななど、リードのときに手間取ったまた、核心では、ハングを越せず、リードを交代していただき、セカンドでもテンション気味でぬけるという始末で、岩トレ不足を痛感した。
 今回は、平石さん、吉岡さんの忍耐強さに加え、いろいろフォローしていただいたお蔭で、無事下山することができた。今後は、岩トレに励み、少しでもお二人に近づけるよう努力したい。
 ありがとうございました。